NDK 日本電波工業株式会社

 

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第2章 新発想 SPXO


SPXOの概念が変わる

水晶発振器は精度や回路構成により、いくつかの種類に分類されます。
その中で、最も基本的な回路構成で温度補償や温度制御をしていない水晶発振器をSPXO(Simple Packaged Crystal Oscillator) といい、SPXOに温度補償回路を内蔵し広い温度範囲にわたって良好な温度特性が得られるように設計された水晶発振器をTCXO(Temperature Compensated Crystal Oscillator)といいます。


(*)
水晶発振器
パッケージ水晶発振器
SPXO(Simple Packaged Crystal Oscillator)
温度補償や温度制御をしていない水晶発振器
温度補償水晶発振器
TCXO(Temperature Compensated Crystal Oscillator)
温度補償回路を内蔵し広い温度範囲にわたって良好な温度特性が得られるように設計された水晶発振器
電圧制御水晶発振器
VCXO(Voltage Controlled Crystal Oscillator)
水晶振動子と直列に可変容量ダイオードを挿入し、外部から印加した電圧によってダイオードの容量を変化させ、水晶振動子の不可容量特性に応じた周波数可変量を得ている水晶発振器
周波数制御水晶発振器
FCXO(Frequency Controlled Crystal Oscillator)
外部入力基準周波数に同期した出力周波数を得ることができる水晶発振器モジュール
恒温槽付水晶発振器
OCXO(Oven Controlled Crystal Oscillator)
恒温槽によって水晶振動子の周囲温度を一定に保っているため、他の水晶発振器と比較し、温度特性が数段よくなっている

(*)弊社のWeb・カタログにおいては、上記SPXOのうち、小型でクロック用途に使われる製品を「クロック用水晶発振器」としてまとめご案内しております。


この分類でも分かるように、“SPXOとは温度補償をしないもの”というのが、これまでの常識でした。NDKでは、こうした常識、既成概念に捉われることなく、水晶発振器に求められる本来の機能を追求すべく製品開発に取組んでいます。今回、ご紹介する「温度補償回路を持ったSPXO」も、そうした発想から生まれた製品です。

これまでのSPXOは補正機能を持たず、内蔵する水晶振動子の安定度がほぼそのまま発振器の安定度となっていました。そのため、動作温度範囲が-40~+85℃である場合の一般的な総合周波数安定度は±50ppm、特殊品となる高精度のものであっても±25ppmです。

有線・無線の通信設備の信号源として水晶発振器が用いられており、そこで要求される精度には厳しい基準が定められています。例えば無線通信においては、±20ppm(-40~+85℃)の安定度が求められています。NDKではこうした市場ニーズに応えるべく、SPXOに温度補償回路を組み込むことで、これまでは実現の難しかった総合周波数安定度±15ppm(-40~+85℃)を実現するSPXOを開発いたしました。従来、この安定度を実現するには、TCXOを使用するか、高精度の水晶振動子を用いた上に、さらに複雑な温度補償回路を組み込む必要がありました。今回開発した温度補償回路付きSPXOを用いることで、複雑な回路設計を不要とし、回路スペースや部品点数を削減することができます。さらには±15ppmを実現したことにより、マージンを持った回路設計を可能にします。

総合周波数安定度範囲


SPXOにおける温度補償

一般的に温度補償回路を持った水晶発振器としては、TCXOが最初に考えられます。
TCXOは、水晶振動子そのものにも高い精度を要求し、組み立て後に1個ずつ特性を測定し、そのバラつきに応じて最適な温度補償回路のパラメーターを書き込み、温度特性を最適化するといった工程が必要です。
このTCXOで培った技術を用いて、特性のバラつきを一定の範囲で捉え、その範囲ごとのパラメーターを設定することで、温度補償回路付きSPXOを実現しました。


温度補償回路付きでありながらCMOS出力

温度補償回路を設けた携帯電話用小型TCXOは、一般的にクリップドサイン波出力であり、CMOS出力が必要な場合は、クリップドサイン波をCMOSにする波形変換回路を別途用意する必要があります。
しかし、当SPXOは直接CMOS出力をするため、波形変換回路が不要になり、回路スペース的にも大きなメリットとなります。
CMOS回路は、TTL回路などと比べ低消費電力であり、微細製造プロセスの進化により高速化が図られたことにより、ロジックICはほとんどがCMOS構造となっています。そのため、水晶発振器にもCMOS出力が求められるのです。


温度補償回路付きでありながらCMOS出力

±15ppmの高精度でありながら、-40~+85℃と広温度範囲に対応し、且つ駆動電圧+1.8Vにも対応していますので、機器の小型化・高密度実装化による発熱を抑えるとともに、低消費電力化を図ることができます。



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