2008年06月25日
当社は、世界初2電極の高感度QCM用水晶振動子QCMツインセンサー及び周辺機器を開発致しました。

当社は、フローインジェクション(※1)型QCM(※2)システム「QCMアナライザ NAPiCOS(※3) PSA10A」用に、世界初となる2電極を持つ30MHzの高感度・高安定なQCMツインセンサー及び周辺機器を新たに開発致しました。 この度開発したQCMツインセンサーは、30MHzで、一枚のQCMセンサー上に2つの電極を構成し、差分法による計測系を構築することで、高感度の計測を阻害する雑音を改善する事に成功致しました。また更に、一枚のQCMセンサー上でサンプルとネガティブコントロール(※4)の測定を同時に行うことが可能となりました。 このQCMツインセンサーにより、フローインジェクション分析システムをベースに、リアルタイムモニタリング、短時間計測、高感度、高安定なQCM計測以外にも、今後更に様々な応用展開など幅広い用途に対応できることが可能となりました。 尚、本技術は2008年5月19日~21日に開催されたIEEE International Frequency Control Symposium 2008にて「Examination for Realization of a High Precision Crystal Sensor」として発表致しました。
【 製品の特徴 】
迅速に高感度・高安定な測定が出来るコンパクトなQCMシステムで、生体分子間相互作用リアルタイム解析に最適です。
- 最高グレードの水晶振動子(※5)を適用し、QCM用水晶振動子としては”世界初”となる水晶振動子に2つの電極を形成した、高感度30MHzツインセンサー(免疫グロブリン(※6)の抗原抗体反応で感度約10ng/mL程度)
- 温度変化などの影響を差分法により低減できる計測システム
- フローインジェクション計測システムを採用し、抗体固定化から抗原抗体反応までリアルタイムでモニタリング
【 システム外観 】

【 適用範囲 】
免疫反応分野、生化学分野、分子生物学分野、臨床分野、食品分野、環境分野
【 製品の概要 】
■QCMシステム <NAPiCOS> (型名:PSA10A)
当社が独自に開発したQCMシステム(PSA10A)は通信技術を駆使した低雑音、高安定な発振回路を内蔵し、高感度で安定的な計測を実現致しました。計測技術は最新のデジタル信号処理技術で、1秒間で0.01Hzの分解能で計測し、短時間に高分解能で周波数変化を捉えることが可能です。
付属アクセサリ
- 恒温チャンバー
QCMツインセンサー用(PSA-CA-3002) / QCMセンサー用(PSA-CA-0901)
低雑音発振回路及びフローセルを内蔵し、ペルチェ素子により設定温度範囲+10~+40℃、温度安定度は±0.02℃以下の専用恒温チャンバーです。より高安定な環境に適しています。 - フローセル QCMツインセンサー、QCMセンサー共通(PSA-FA-0901)
QCMセンサーをセットし、フローインジェクションシステム用に開発。 フローセルの容量は約50µLの少量の溶液量で少ない試料で反応が確認できます。
30MHz(PSA-SB-3002T) / 9MHz(PSA-SB-0901T) 当社が世界に誇る最高グレードの水晶と加工技術から生まれたQCMセンサーです。
周波数9MHz/30MHzから生み出される高安定、高感度チップで、取扱が容易な構造です。
(9MHz/30MHzはご購入の際、ご指定ください。)
■その他 付属品
シリンジポンプ、インジェクタについても推奨品をご注文いただけます。
【 お問い合わせ先 】
日本電波工業株式会社 営業CS推進部
東京都渋谷区笹塚1-50-1 笹塚NAビル
TEL : 03-5453-6751 FAX : 03-5453-6756
E-Mail :
尚、本製品は平成20年7月2~4日に東京ビックサイトで開催される第7回国際バイオEXPOに 出展し、計測デモを実施いたします。
会場 :東京ビッグサイト 西ホール NDKブース : 1-57
【 用語の説明 】
※1 フローインジェクション
内径0.3~1mm の細いチューブ内を連続して流れている液体に、試料を注入(導入)し、そのままあるいはチューブ内を流れている間に何らかの化学反応を行わせた後に、下流に備えた検出器により、分析成分あるいはその反応生成物の物理的又は化学的特性を測定することにより、目的成分を定量しようとする分析方法
“フローインジェクション分析方法通則, JIS K0126”
※2 QCM
Quartz Crystal Microbalance(QCM:水晶振動子マイクロ天秤)の頭文字をとったもので、水晶振動子の電極上に物質を付着させると水晶振動子の質量付加効果により付着した質量に対応して発振周波数が定量的に減少する。この特性を利用し、ng(10-9g)レベルの極めて微量な質量負荷でも発振周波数変化をモニターすることで、リアルタイムの質量変化を捉えることが出来る。
例えば9MHz ATカットの素子ではngからµgの極微量の質量の付着を発振周波数変化として測定できる。
※3 NAPiCOS
NAPiCOSとは、ng、pgの微量な計測を可能とする“Nano”,“Pico”,“Sensor”を組み合わせた当社の造語です。水晶専業メーカーである当社がQCMのキーデバイスである水晶振動子や高安定な発振回路技術を駆使する事により、従来は計測が困難だった微量な質量計測を示しております。

※4 ネガティブコントロール
生体分子間相互作用である抗原抗体反応などの計測の際、非特異的反応による影響などを差し引き(差分法)、真の測定対象物だけによる計測を行うときに必須な陰性手法のこと。
※5 水晶振動子
水晶振動子は高精度で安定な発振素子として、携帯電話、PC等のデジタル機器から、通信・計測機器まで、多くの電子回路に高安定な周波数標準として使用されている。
※6 免疫グロブリン Immunoglobulin G(IgG)
抗体としての構造・機能をもつタンパク質。血液・リンパ液中に含まれるγ(ガンマ)グロブリンのほとんどはこれで、形質細胞などで生成される。分子の形はY字状をし、抗原結合部位をもつ。