日本電波工業株式会社

2波出力(MHz+32.768kHz)クロック用水晶発振器について

[ PDF ]


1.背景
 スマートフォンやタブレット端末の普及拡大と共に、その周辺装置としてヘルスケアやスポーツ向けの機能を搭載した「腕時計型」、「メガネ型」のウェアラブル機器市場が急速に拡大しています。ウェアラブル機器は、身に着けることでの小型化に加え、長時間電源の無い野外で使用するため、低消費電流化への要求が非常に強い製品でもあります。通常、ウェアラブル機器の基準信号源には、マイコン制御用や短距離無線用等のMHz帯の基準信号源と時計用32.768kHzの2つの信号源を搭載し、それぞれに発振回路を使用していますが、ウェラブル機器の小型化により基板実装面積は年々狭くなってきており、省スペース化が必要とされています。
 これらのニーズを受け、2波同時に出力できる小型クロック用水晶発振器(以下、2波出力発振器)を実現化させました。

2.出力の特徴
・1つの発振器から指定のMHz出力及び32.768kHzの2波が同時に出力する事が可能ですが、モード端子を備えており、その端子を切り替えることにより、2波出力(MHz+kHz)と32.768kHzの1波出力に切り替えることも可能です。
・後述しますが、1波出力(32.768kHz)時の消費電流はMax.1uAとなり超低消費電流を実現しています。

出力の特徴

3.2波出力発振器の構造
 電極が形成された水晶片と、ICメーカーと共同開発した2波出力可能なICをセラミックパッケージに実装し、ワンチップ化を図りました。また、シミュレーションツールを用い、ICのパッド配置、セラミックパッケージのパターン設計を行い、2周波(32.768kHzとMHz)の相互干渉を可能な限り抑える設計を採用する事で2周波数が出力可能となりました。

4.2波出力発振器使用のメリット
 (1)部品点数の大幅な削減
 MHz出力は短距離無線やマイコン、32.768kHzはRTC用途で使用する場合、MHz、32.768kHzそれぞれに発振回路が必要となり、1つの発振回路につき1つの水晶振動子と1つの抵抗と2つのキャパシタで回路構成されています。2波出力発振器を使用した場合、8個使用していた搭載部品を1つに削減することが可能です。

マイコン、チップセットの発振回路構成例

構成部品点数

 (2)省スペース化
 搭載部品点数の削減により、省スペース化につながります。下記の表に示したように、32.768kHz(3215サイズ) + MHz(2520サイズ) + 抵抗 +キャパシタの場合2波出力発振器を使用することで、約70%の省スペース化が可能です。

省スペース化

(3)実装不良およびコストの削減
 搭載部品点数の削減 ( 8個→1個 ) により、実装不良、実装コストは1/8になります。

(4)回路設計の簡略化
 基板回路設計を行う際の例を下記に示します。

回路設計の簡略化

(5)低消費電流化
 VCC=+1.8Vかつ無負荷時の条件下において、当社がラインナップしている2波出力発振器(NZ2016SK)は1波出力時にTyp 0.8µAの超低消費電流を実現し、当社の従来製品(NZ2520SHB)に比べ、消費電流を約1/10まで節減しました。

低消費電流化



Copyright© 1997- NIHON DEMPA KOGYO CO., LTD.