水晶デバイスは、私たちの感覚では測り知れない精密さが要求され、非常に高い精度で作られています。
水晶振動子を例にとって、一体どのようにしてつくられているのか、
その製造工程を、私たちの人間の成長過程になぞらえながら、
わかりやすく追ってみることにしましょう。

天然のかけら(ラスカ)をオートクレーブという高圧容器の中で溶解させ、種子上に析出させる事により純度の高い大きな結晶が作られます。

出来上がった人工水晶を目的の仕様に合わせて、指定の角度と厚みに切断します。更に、切断した水晶片の角度を測定して分類します。

水晶の周波数は厚みで決まり、薄くするほど周波数が高くなります。周波数や要求される特性を満たすように研磨材の種類や粒度を選んで研磨します。

研磨した水晶片(ウエハ)を目的の形状及び寸法に加工します。更に水晶振動子の優れた特性を引き出すために、べベル加工を行うものもあります。

水晶片が安定した振動を行なうように、切断・研磨によって生じた加工ひずみを、化学エッチングで取り去ります。

水晶片に信号電圧を加え、圧電効果によって周波数を発振させるために、両面に電極を形成します。

水晶片を保持するとともに、ベース電極端子と水晶電極を電気的に接続するために、導電性接着剤により、水晶片を接合します。

水晶片の厚みや電極膜厚による周波数のバラツキを仕様規格内に入れるために、周波数を調整します。

水晶片を機械的に保護するとともに、電極等の酸化や湿度の影響をさけるために、保持器内部を真空にするか、不活性ガスを封入し、封止します。

それぞれの特性について規格を満たしているかどうか、厳密な検査を行います。これで完成です。

両親の遺伝(原料や含有物の品質)や、母体状態(温度、圧力などの育成環境)が、子供(原石)の資質を大きく決定付けます。

次第に基本的な骨格や、手、足などの五体が形成され、生まれるまでの準備が完了します。
(人工育成された水晶が、用途に合わせて様々に加工され、磨かれていく過程です。)

さあ、いよいよ赤ちゃん誕生。(初めて電子部品となって誕生。これまでに作り込められた製品としての資質を100%引き出すため、作業は、塵一つない完璧な環境と、万全な管理のもとに進められます。)

様々なコミュニケーションや教育を通じ、一人一人がそれぞれの能力を備えた人間として育っていきます。(各種の用途に応じ、組立、調整して完成品となっていく過程です。)

めでたく成人式を迎え自立。
(ついに水晶振動子が完成。完璧な完成品として性能保証が行われた後、出荷となり、現代社会の多彩な場面で活躍します)


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