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人工水晶

用語の説明

人工水晶に用いられる主な用語について、ご紹介致します。

人工水晶 水熱温度差法により育成されたα水晶の単結晶です。
アズグロウン原石 育成されたままの状態の人工水晶です。
ランバード原石 #80のダイヤモンドホイールにより、X,Z面を所定の寸法及び角度に加工した人工水晶です。
Y棒原石 Y軸方向に細長い棒状の種子結晶を使用して育成した人工水晶です。
Z板原石 Y軸方向に長く、X軸方向に巾を持った板状の種子結晶を使用して育成した人工水晶です。
異物
(インクルージョン)
人工水晶中に存在する固体含有物の総称で、人工水晶と屈折率の近い液体中で散乱光によって観察できる物です。主な異物としてはアクマイト、エメリュウサイトなどです。アクマイト、エメリュウサイトは高温高圧下において、オートクレーブや、育成枠からのFe、溶液からのNa、及び原料のSiO2等が反応して生成されます。
双晶 1個の結晶に結晶学的に2個以上の結晶が、たがいに特定の面または軸に関して対称の関係に接合しているものです。人工水晶に発生する双晶はほとんどが電気的双晶で、この双晶は、人工水晶の形状に影響をおよぼしますが、目視にて簡単に判別することができます。
右水晶、左水晶 水晶には右水晶と左水晶があります。これは旋光性の違いによるもので、その他の物理定数はまったく同じです。従って切断方位を間違わなければ水晶振動子としての特性に影響を与えることはありません。一般的に使用されているのは右水晶です。
領域 種子結晶を中心として成長した領域を表わし、Z、+X、-X、S領域があります。
赤外線吸収係数α 人工水晶の赤外線吸収係数αは、赤外分光光度計によって測定された値が採用されています。これは人工水晶の赤外線透過率曲線における3800~3000cm-1付近のOH基の吸収特性から求めた値です。一般的には波数3585、3500、3410cm-1の吸収係数が採用されています。
(参考に従来通り赤外Q値も記載いたします。)
エッチチャンネル 水晶をエッチングした時に結晶中の線状欠陥にそって生じる管状の空洞をエッチチャンネルと呼びます。音叉型水晶振動子や逆メサ型水晶振動子等の水晶片加工プロセスにエッチングを伴う場合には、特にエッチチャンネル密度の低い人工水晶が適しています。


性質

成分 SiO2
結晶系 三方晶系
結晶群 D3(32)
格子定数 a=4.9027+70×10-6(T-18)kX
c=5.3934+47×10-6(T-18)kX
1kX=1.002063±0.000007Å
密度 2.649g/cm³
α-β転移温度 573℃

使用上の注意

人工水晶をご使用の前に必ず下記をご熟読下さい。
水晶は573℃において相転移をおこしα水晶からβ水晶に変化します。この相転移は可逆的ですが、β水晶からα水晶に転移するとき一様に転移がおこらないため、双晶が発生します。従いましていかなる場合にもこの温度(573℃)以上にはしない様ご注意下さい。


人工水晶上の製造方法

 人工水晶は縦型オートクレーブ(高温高圧容器)を用い、水熱温度差法によって製造されます。オートクレーブは、対流制御板により上下2室に分けられます。上部を成長域として種子水晶を、下部を溶解域として原料の屑水晶(ラスカ)をいれます。その後オートクレーブ自由空間の約60~80%の希アルカリ溶液を入れ蓋をし、ヒーターにより加熱します。
 オートクレーブ内の上部を約300~320℃、下部を約380~400℃とするとアルカリ溶液の膨張圧縮作用により圧力は130~145MPa程度となります。
 高温高圧下においてオートクレーブ下部の原料はアルカリ溶液に溶解しSiO2の飽和溶液となります。この飽和溶液はオートクレーブ上下の温度差にもとつく対流により上昇します。オートクレーブ上部に達すると温度が低いため過飽和状態となり、溶解度の温度差に相当するSiO2が種子水晶上に析出します。その後、溶液は降下しオートクレーブ下部で再び原料を溶解してSiO2の飽和溶液となり、対流により上昇を開始します。この繰り返しにより水晶が連続的に成長します。