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2025.04.22
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【コラム】なぜSoCで低消費電力・低電圧駆動が求められるのか?(2)燃費向上、熱対策、自動運転時代に不可欠な技術の背景

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※画像はイメージです

イントロダクション

スマートフォンやウェアラブルデバイス、車載機器など、あらゆる電子機器に搭載されるSoC(System on a Chip)。その進化は目覚ましく、今や単なる集積回路ではなく、電子機器の「小型化」「高性能化」「低消費電力化」を同時に実現する鍵として注目されています。 特に近年、低電圧・低消費電力で駆動する設計が求められる背景には、エネルギー効率の追求、熱設計の厳格化、そして自動運転やAI時代への対応といった、製品開発を取り巻く環境の大きな変化があります。 今回のコラムでは、なぜ車載向けSoCに低電力・低電圧駆動が求められるのか?その理由と技術的背景について説明します。


車載向けSoCに欠かせない「低電圧駆動」

先日、弊社より車載向け低電圧駆動水晶発振器の開発を発表しました。(詳細はニュースリリース「車載品質規格 AEC-Q100/Q200準拠 低電圧+0.9V駆動 2.0×1.6mmサイズ 水晶発振器 「NZ2016SFA」「NZ2016SF」開発のお知らせ」を参照ください。) その特長の一つとして「低電圧駆動」が挙げられますが、今回のコラムでは、車載向けのSystem on a Chip(SoC)において、なぜ低消費電力や低電圧駆動が求められるのか?その背景について解説します。


1. SoC開発プロセスにおける低電圧駆動の必要性

近年の半導体は、7nm、5nm、3nmといった微細プロセス技術の進化により、トランジスタの微細化が進んでいます。

  • 微細化による低耐電圧の問題: 微細化が進むと、トランジスタはより低い動作電圧での駆動が必要になります。従来の1.8~3.3Vでは対応できず、0.9~1.5Vでの駆動が必須となります。
  • リーク電流の抑制: 低電圧で動作させることで、微細化に伴うリーク電流の増加を抑え、無駄な電力消費を防ぐ効果が期待できます。
  • 新技術の導入: FinFETやGAAFETなどの新たなトランジスタ技術の採用により、より低い電圧で高性能な動作が実現可能となり、SoCの高集積化と省電力化を同時に達成しています。

2. 車両全体の要請としての低消費電力

  • 燃費・電費の向上と環境規制への対応: 電動車(EV、ハイブリッド車、PHEVなど)の普及により、車両全体のエネルギー効率が非常に重要となっています。SoCが消費する電力が大きいと、バッテリーの消耗が増え、航続距離の短縮や燃費の悪化、さらに各国の環境規制(CO₂排出規制、燃費基準など)への対応が難しくなります。
  • 車載電源の制約: 車載システムは通常、12V(ガソリン車)や48V(マイルドハイブリッド車)のバッテリー電源を使用し、これをSoCの極低電圧(0.9~1.5V)に変換する必要があります。高い動作電圧は、電源回路の負担を増大させ、発熱や変換効率の低下を招くため、低電圧での駆動が望ましいです。
  • 熱設計とシステムの信頼性: 車載SoCは高温環境(80℃以上)でも安定動作しなければなりません。低消費電力化は発熱の抑制に直結し、冷却対策(エアコンや冷却ファンによる補助冷却)の負荷を軽減し、全体の信頼性向上に寄与します。
  • 自動運転・ADASの高負荷処理: 自動運転システムや先進運転支援システム(ADAS)では、カメラ、LiDAR、AI演算など多くの高負荷処理が要求されます。これに伴い、従来よりも大きな電力が必要となるため、効率的な低消費電力設計は必須です。AI専用の低電圧駆動プロセッサ(NPU、DSP、FPGAなど)の採用により、処理性能を維持しながら省電力化を実現しています。

まとめ

車載向けSoCにおける低消費電力・低電圧駆動は、以下の二面性を持っています。

  1. SoC開発プロセス上の課題:
    • 微細化による低耐電圧化に対応するため、従来の1.8~3.3Vから大幅な低電圧(0.9~1.5V)への移行が必要。
    • リーク電流の増加を防ぎ、長寿命・安定動作を実現。
  2. 車両全体の要求:
    • 電動車普及や環境規制への対応のため、車両全体での消費電力削減が求められる。
    • 車載電源の制約、熱設計、そして自動運転・ADASなどの高負荷処理に対し、効率的な省電力設計が必須。

このように、車載SoCの低消費電力・低電圧駆動は、半導体技術の進化と車両システム全体の高機能化・高精度化の要求の双方に応えるための、不可欠な技術革新となっています。


SoCに最適なNDK水晶デバイス製品の紹介

当社では、SoCで求められる低消費電力・低電圧駆動に対応した水晶発振器を開発しました。具体的な特長は以下の通りです。
(詳細はニュースリリース「車載品質規格 AEC-Q100/Q200準拠 低電圧+0.9V駆動 2.0×1.6mmサイズ 水晶発振器 「NZ2016SFA」「NZ2016SF」開発のお知らせ」を参照ください。)

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製品特長

・低電圧駆動対応(0.9~1.5V)
・車載安全用途向け対応
・+125℃の高温度対応

用途・市場

・ADAS
・SoC(System on a Chip)周辺基準クロック

サンプル・量産時期

・サンプル対応中
・量産時期:2025年4月予定


最後に

今回のコラムでは、車載SoCにおける低消費電力・低電圧駆動の背景とその重要性について詳しく解説してきました。半導体技術の進化とともに、今後も自動車システム全体の信頼性と効率性を支える革新的技術は進化を続けると考えています。NDKとしても、今後も車載向けSoCに必要な特長を備えた水晶デバイス製品の開発に邁進してまいります。


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製品に関するお問い合わせ TEL : 03-5453-6723

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IRに関するお問い合わせ TEL : 03-5453-6702

E-Mail:newsrelease@ndk.com

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