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2026.01.06
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【コラム】水晶発振器とBAW発振器の比較-水晶発振器が持つ優位性

水晶発振器とBAW発振器の比較-水晶発振器が持つ優位性 crystal-vs-baw_01.jpg

イントロダクション

カーナビやスマートフォンなどの高機能化と小型化が進む中で、クロック源となる発振器に対して、高精度・高安定・低消費電力といった多面的な性能が求められています。

近年では、圧電体のバルク振動を利用したBAW(Bulk Acoustic Wave)発振器が、小型化、高周波対応、高温環境での安定性などの特性を備えていますが、実際の最終機器設計においては、依然として水晶発振器が最適解となる場面が数多く存在します。

本記事では、水晶発振器がBAW発振器と比較してどのような点で優れているのかをデータを用いて解説します。


1. 信頼性(Reliability)

水晶発振器は、気密構造を採用しており、長期間にわたり安定した動作を維持します。

気密構造により温度や湿度などの外部環境の変化にも強く、MTBF(平均故障間隔)が非常に長いため、5G基地局といった産業機器・通信機器の他、高信頼性が求められる車載用途に最適です。


 <水晶発振器とBAW発振器を高温放置した際の周波数変動 比較データ(3.3V)> ※当社調べ。

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2. 発振起動特性(Startup Characteristics)

水晶発振器は、電源投入後、迅速かつ安定して発振を開始する特性を持ち、温度環境下でも起動遅延が少ないのが特長です。これにより、自動車の制御システムや医療機器といった即時性が求められるシステムでも安心してご使用いただけます。


 <水晶発振器とBAW発振器の発振起動特性 比較データ(3.3V)> ※当社調べ。

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3. 消費電流(Current Consumption)

水晶発振器は、他の発振方式と比較して非常に低消費電力で動作します。電源電圧:3.3V、25MHzの場合、BAW発振器の消費電流は35mA以上となりますが、水晶発振器では2mA程度の消費電流で動作可能であり、スマートウォッチのような省電力設計が求められるIoT機器やバッテリー駆動機器に最適です。



4. 位相ノイズ(Phase Noise)

水晶発振器は、極めて低い位相ノイズ特性を持ち、信号の純度が高いため、ノイズによる誤動作や信号劣化を防ぎます。これにより、光トランシーバといった通信機器や高精度測定機器においては、安定した通信品質や測定精度を確保できます。


 <水晶発振器とBAW発振器の位相雑音(3.3V、25MHz) 比較データ> ※当社調べ。

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5. 耐衝撃性(G-Sensitivity)

水晶発振器は、1ppb/g以下の高い振動耐性を有しています。車載などの振動の多い環境下でも、安心してご使用頂く事が可能です。


 <水晶発振器とBAW発振器の耐衝撃性 比較データ(3.3V、25MHz)> ※当社調べ。

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6. 低故障率(Low Failure Rate)

当社では、水晶デバイスの製造において数十年にわたる実績があり、製造工程の成熟と品質管理の徹底により、0.3FITと非常に低い故障率を実現しています。長期間の使用でも性能劣化が少なく、保守コストの削減やシステムの信頼性向上に貢献します。


まとめ

BAW発振器は、高周波・高温安定性などの性能を有していますが、最終機器のクロック用途において、総合的なバランスを見るとBAW発振器より水晶発振器の方が優れている点が多くあります。

最終製品の用途や要求仕様に合わせて、水晶発振器とBAW発振器の特長を正しく見極めることで、製品の性能と競争力向上につながると考えています。


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