発振回路評価方法

起動時間(1)―概要―

今回は、起動時間について、概要をお伝えいたします。


起動時間の定義は場合によって異なりますが、NDKでは起動時間の標準的な定義を「発振段に発振バイアス電圧が印加されてから、発振の電圧振幅が飽和するまでの時間」としております。MHz帯の回路においては1 ms単位で、kHz帯の回路においては0.1 s単位で測定することを標準としております。


理論式は以下のとおりとなっております。


理論式

Tstr:起動時間
k:比例定数
L1:水晶振動子の等価直列インダクタンス(水晶振動子の等価回路参照)
|-R|:回路の負性抵抗(絶対値)
RL:水晶振動子の負荷時等価抵抗


水晶振動子の等価回路




標準的な起動時間測定の例(オシロスコープの画像)を図1、図2に示します。


起動時間測定の例


起動時間測定の例


図1:発振段の電圧が0Vから発振バイアス電圧へ上がった場合。
図2:発振段の電圧がICのVDD電圧から発振バイアス電圧へ下がった場合。



また、お客様のご要望により起動時間の測定開始点を「ICの電源端子(VDD端子)に電圧が印加された時点」とするケースもあります。その際の起動時間測定の例(オシロスコープの画像)を図3に示します。


起動時間測定の例


特別なご要望がない限り、NDKでは、図1、図2の方法で起動時間を測定いたします。

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