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【コラム】AIデータセンターの進化になぜ水晶発振器が必要なのか?(2)水晶デバイスの特性と優位性
※画像はイメージです
イントロダクション
近年、AI技術の急速な普及に伴い、生成されるデータ量が爆発的に増加しています。これにより、データを効率的に処理・分析するためのAIデータセンターの需要が急増しています。AIデータセンターは、膨大なデータを迅速かつ正確に処理するための重要なインフラストラクチャです。このコラムでは、AIデータセンターの進化においてなぜ水晶デバイスが必要なのか?を複数回に分けて解説していきます。
※前回のコラム「(1)AIデータセンターの進化とその重要性」はこちら
※次回のコラム「(3) AIデータセンターにおける水晶デバイスの応用とこれからの展望」はこちら
水晶デバイスとは
水晶デバイスは、データ通信において非常に重要な役割を果たす電子部品です。特に差動出力水晶発振器(SPXO)は、電気信号を安定して生成するために使用されます。これにより、高速かつ正確なデータ伝送が可能となります。
光トランシーバにおける通信速度の進化
AIデータサーバー内で、高速かつ長距離のデータ伝送を実現する光トランシーバの通信速度は、現在400Gbpsが主流ですが、データ量の増加に伴い800Gbps、さらには1.6Tbpsや3.2Tbpsへと進化する見通しです。通信速度が上がるほど、信号の揺らぎ(位相ジッタ・位相雑音)を抑えることが重要になります。
位相ジッタと位相雑音
位相ジッタとは、信号のタイミングのずれを指し、位相雑音は、信号の周波数の揺らぎを指します。信号の揺らぎが大きいと、データの誤りが発生しやすくなり、通信速度が低下するなどの問題が生じます。
水晶デバイスは、これらの揺らぎを低く抑える特性を持っています。特に、低位相ジッタ・低位相雑音の差動出力水晶発振器(SPXO)は、高速で大容量の通信において非常に優れた性能を発揮します。これにより、AIデータサーバー内で光トランシーバが司る高速かつ長距離のデータ伝送の際も、データの誤りを減少させ、通信の信頼性を向上させることができます。
水晶デバイスの優位性(MEMSデバイスとの比較)
水晶デバイスは、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems=微小電気機械システム)デバイスと比較して、いくつかの点で優位性を持っています。MEMSデバイスは、高い周波数を得るためにPLL(Phase Locked Loop)という電子回路を使用しますが、PLLを用いた回路構成では、高い周波数を得るために逓倍(倍数を掛けること)する必要があり、逓倍数が多いほど位相ジッタや位相雑音が増幅されてしまいます。一方、水晶デバイスは、PLLを使用せずに高い周波数を生成できるため、位相ジッタや位相雑音を低く抑えることができます。これが、高速通信において水晶デバイスが選ばれる理由の一つです。
まとめ
水晶デバイスは、高速かつ大容量の通信において非常に重要な役割を果たしています。特に、低位相ジッタ・低位相雑音の特性を持つ差動出力水晶発振器(SPXO)は、データの誤りを減少させ、通信の信頼性を向上させるために不可欠です。次回記事では、AIデータセンターにおける水晶デバイスの具体的な応用例とこれからの展望について詳しく解説します。
※前回のコラム「(1)AIデータセンターの進化とその重要性」はこちら
※次回のコラム「(3) AIデータセンターにおける水晶デバイスの応用とこれからの展望」はこちら
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