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発振回路評価方法
発振周波数の差(2)―測定方法―
(2020年11月改訂)
今回は、発振周波数の差の測定方法について、お伝えいたします。
前回(発振周波数の差(1))お伝えしたように、発振周波数の差は下記の式で表さわれますので、測定の対象はF CLとF circuitになります。
F nom | :実験用水晶振動子の公称周波数 |
F CL※1 | :実験用水晶振動子(多くの場合、基板実装水晶振動子)のある負荷容量(基本的に、 実験用水晶振動子の仕様書上で指定されている負荷容量)における周波数 |
F circuit※1 | :測定対象回路に実験用水晶振動子を実装した際の回路上周波数 |
※1:本稿の便宜のためにつけたシンボルであり、一般的なものではありません。
1.F CLの測定方法
<概要>
ネットワークアナライザ及び負荷容量治具を用いて、以下測定手順(NDK製水晶振動子が基板に実装されている場合※2の手順)によりF CLを測定します。
※2:NDK製水晶振動子が基板に実装されていない場合は、適切なNDK製水晶振動子を別途用意し、
それを実験用水晶振動子として用います。
<測定手順>
(1) | 基板に実装されている水晶振動子を、はんだゴテなどで取り外す。 |
(2) | 水晶振動子に付着した余分なはんだを除去した後、水晶振動子が常温になるまで待つ。 |
(3) | 水晶振動子を負荷容量治具にセットする(負荷容量治具の容量は、基本的に、当該水晶振動子の仕様書上で指定されている負荷容量)。 |
(4) | 負荷容量治具をネットワークアナライザにセットし、ネットワークアナライザのマニュアルに従い、F CLを測定する。 |
2.F circuitの測定方法
<概要>
実験用水晶振動子を基板に実装し、以下測定手順により、指定された温度条件におけるF circuitを測定します。
<測定手順>
(1) | 実験用水晶振動子を、はんだゴテなどを用いて基板に実装する。 |
(2) | 水晶振動子とその周辺を指定された温度で安定させた後、水晶振動子を発振させ、その発振信号をアンテナにより非接触※3でデータ取得する 。 |
(3) | アンテナでひろわれた発振信号を周波数カウンタで安定して測定できる信号レベルまで、アンプで増幅する。 |
(4) | 周波数カウンタでF circuitを測定する。 |
※3:電圧プローブを発振回路に接触させる方法で発振周波数を測定した場合、その電圧プローブの容量分が加わり、発振回路の容量が変化してしまうため、発振周波数に影響を及ぼします。NDKでは、より正確な発振周波数測定をするために、非接触方式を採用しております。
F circuitの測定イメージ図は以下になります。