食物抽出物に含まれるアレルゲン計測

食物抽出物に含まれるアレルゲン計測

食品抽出物の一例として、アレルゲンの一種を計測しました。
まずアレルゲンをインジェクションし、引き続き増感剤として金コロイド標識アレルゲン抗体をインジェクションしました。
この結果、反応電極側のみ反応する波形が得られました。
尚、本試験は株式会社森永生科学研究所にご協力いただき共同で行いました。
アレルゲン及び金コロイド標識アレルゲン抗体は同研究所のご提供試料を用いています。

1.プロトコル

  • センサ:30MHz ツインセンサ
  • 流速:20μL/min
  • サンプル量:100μL
  • 送液バッファー:SDS含有バッファー
  • サンプル:アレルゲン
  • 増感剤:金コロイド標識アレルゲン抗体

図1:模式図

2.反応波形

計測波形を示します。サンプルとしてアレルゲンをインジェクションした後、増感剤をインジェクションした波形です。
増感剤と送液バッファーの組成が変わるため、添加直後は大きな周波数変動が見られます。
しかし送液バッファーに戻ると、結合した分の反応量が得られます。

図2:計測波形

3.濃度依存性

アレルゲンの濃度を20ng/mL, 100ng/mL, 500ng/mL, 1000ng/mLとして計測し、増感後の値で検量曲線を作成しました(N=3)。
20ng/mL-1000ng/mLの範囲で定量的に測定できることが分かります。

図3:増感後のアレルゲン検量曲線

4.用語解説

アレルゲン アレルギー反応を引き起こす物質(主にタンパク質)です。
SDS (Sodium Dodecyl Sulfate) 界面活性剤の一種で、溶けにくいタンパク質の溶解などに使用されます。本試験では卵からタンパクを抽出する際に使用しています。このため添加サンプル中にはSDSが含まれています。
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