製品概要

使用上の注意

弊社の水晶発振器を正しくご使用頂き、十分な性能を発揮させるために、以下の注意事項を必ずお読み下さい。

1.電気的取扱い

1.1 電源

 極性を正しく所定の端子に接続して下さい。誤って正負を逆に接続したり、所定以外の端子に接続すると、水晶発振器の内部に使用している部品が損傷を受け、発振器として動作しなくなる場合があります。
 また、定格値以上の電圧を印加した場合も、上記と同じ故障が生じる恐れがありますので必ず定格電圧で使用して下さい。なお、定格値以下の電圧を印加した場合は内部部品の損傷の恐れはありませんが所定の性能を満足しなくなる場合があります。
 製品使用の際は、電源とGND間(製品端子の出来る限り近傍)にバイパスコンデンサーを入れて下さい。

1.2 負荷インピーダンス

 負荷インピーダンスは規定値を接続して下さい。規定値以外の負荷インピーダンスを接続した場合、出力周波数及び出力レベルが規格値を満足せず、さらに出力波形がひずむ等のトラブルを生ずることがあります。特に、負荷インピーダンスのリアクタンスについては、規定どおりに合わせて下さい。

1.3 出力周波数及びレベル

 水晶発振器の出力周波数あるいは出カレベルを測定するとき、測定器の入力インピーダンスが水晶発振器の負荷インピーダンスと異なる場合は、測定器のインピーダンスが無視できるハイインピーダンスで測定して下さい。
 測定器の入力インピーダンスが水晶発振器の負荷インピーダンスと異なる場合は、測定器のインピーダンスが無視できるハイインピーダンスで測定して下さい。

1.4 その他

 能動素子として、CMOS ICを使用していますので静電対策された環境下でお取扱い下さい。

2.機械的取扱い

2.1 衝撃

 強い衝撃は加えないで下さい。運搬や機器に取付ける際、誤って落したりまたは固いもので叩くなどの衝撃を加えないようにして下さい。水晶発振器の内部に使用している部品が損傷を受け、発振器として、動作しなくなる場合があります。
 もし、強い衝撃が加った場合は、必ず特性を確認してからご使用下さい。

2.2 リードタイプ水晶発振器の実装

 水晶発振器の端子及び取付ネジに過度の力を加えないようにして下さい。
 プリント基板に取付ける場合、取付け穴の間隔は水晶発振器の端子間隔に合わせて下さい。取付穴の間隔がずれたまま無理に取付けると端子を破損することがありますのでご注意下さい。
 0.6mmφ以上のハーメチック端子は曲げないで下さい。
 0.6mmφ以下の端子で曲げる必要が生じた場合でもハーメチックのガラス部を保護するため、ハーメチックの根元から直接曲げないように注意して下さい。もしガラス部分にクラックが入ると、気密及び絶縁不良になつ十分な諸特性が得られないことがあります。
 非密閉タイプ(製品ケースに周波数補正するための孔のあるタイプ)を実装する場合は、孔の内側に可変コンデンサ、可変抵抗等の可動部品が配置されておりますので、フラックスが入らないように作業して下さい。
 端子のはんだ付けは、各製品の実装条件に従い実装して下さい。カバー、べ一スに直接はんだ付けすることは、避けて下さい。

2.3 表面実装型水晶発振器の実装

(1) 基板実装後の急激な温度変化

 セラミックスを使用している表面実装型水晶発振器のパッケージで、実装基板の材質がセラミックスと異なる膨張係数を有する場合、過酷な温度変化を長期間くり返す環境下では、はんだ付けのフィレット部分に亀裂を生じる恐れがあります。
そのような環境条件が想定される場合は、事前にご確認される事をお薦め致します。

(2) 自動実装による衝撃

 自動実装による水晶発振器の吸着またはチャッキング、及び基板に搭載する際に過度の衝撃が加わりますと、特性の変化または劣化につながりますのでご注意下さい。

(3) 基板曲げによるストレス

 プリント基板へ水晶発振器をはんだ付け後に、基板面を曲げますと機械的ストレスによりはんだ付け部が剥離したり水晶発振器のパッケージにクラックが入る事がありますのでご注意下さい。

2.4 洗浄

 超音波洗浄は圧電材料(水晶片など)の共振現象により特性劣化または破壊されるおそれがあります。使用される前には必ず事前にご評価ください。

2.5 樹脂モールド

 樹脂モールドのご使用は、製品特性に影響を及ぼす恐れがあります。この様なご使用をされる場合、弊社では納入仕様、評価方法について個別に対応させて頂いております

3.保管

 保管の周囲環境(温度・湿度)は常温、常湿(温度:+5~+45℃、湿度:85%RH以下)を目安にして下さい。
 上記は、電源電圧を印加しない状態で長時間放置しても、使用時に特性上の劣化を引き起こさない周囲環境の目安となりますが、電気的特性例では発振周波数経時特性等、機械的特性例では、はんだ濡れ性が放置時間により変化していく特性を有しておりますので、製品の規格及び構造により異なりますが長時間保管(3カ月以上)はなるべく避けることをお薦めします。
 また、高温多湿の条件下(相対湿度75%以上)及び腐食性ガス等の発生する場所は避けて下さい。その他として、潮風にさらされる様な条件下、湿度が高く結露しやすい所で使用する場合には、密封構造の発振器をご検討下さい。

4.実装

 各製品仕様の実装条件を必ずご確認ください。
 仕様を超えた実装は、特性の劣化または、破壊を招く恐れがあります。
 上下反転リフロー(発振器を実装した後の基板を上下反転してのリフロー)非対応製品は、製品本体またはカバーが脱落する可能性があります。

5.使用用途

 一般電子機器(通信機器、制御機器、計測機器等)に使用されることを前提に製造されております。
 宇宙機器、原子力制御機器、人命に関係する医療機器等高信頼性を要求される用途および輸送機器で高い安全性を要求される用途に使用される場合は別途御相談下さい。又、水晶振動子を基本構成としておりますので、振動下での使用、風冷却環境下、騒音環境下でご使用の場合は特性が維持できない可能性がありますので、そのような環境下が想定される場合は、別途事前に評価するか、弊社までご相談ください。

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