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発振回路評価方法

発振周波数の差(3)―改善方法―

今回は、発振周波数の差の改善方法について、お伝えいたします。

発振周波数の差が大きい(プラス側またはマイナス側に大きく発振周波数がズレている)ということは、回路負荷容量(発振回路のコンデンサ容量と基板の浮遊容量による回路の負荷容量)と水晶振動子負荷容量(水晶振動子の仕様書に記載されている負荷容量)の差が大きいということを意味します。


発振周波数の差の改善方法(±0ppmに近づける方法)は以下の2種類があり、発振回路の他の特性(負性抵抗、トライブレベル)を考慮し改善方法を選択しています。


1. 回路負荷容量を水晶振動子負荷容量に近づける方法
NDKでは発振周波数の差の改善の際、現行の水晶振動子負荷容量を変えずに回路負荷容量だけを変えることで対応することを基本としております。
 
2. 水晶振動子負荷容量を回路負荷容量に近づける方法
負性抵抗やドライブレベルの規格を満足させようとすると、発振周波数の差が大きくなってしまう場合、またはお客様ご指定の回路定数において、発振周波数の差を小さくする必要がある場合にこの方法を採用します。

さらに、上記で紹介した2種類の具体的な内容を説明致します。



1.回路負荷容量を水晶振動子負荷容量に近づける方法

回路上での水晶振動子発振周波数の測定イメージ図


上記回路図におけるCin,Coutの容量を変える(回路負荷容量を変える)ことで、水晶振動子負荷容量に近づけます。Cin,Coutの容量を変えた時の発振周波数の差との関係性を以下に示します。


発振周波数の差と発振コンデンサの関係イメージ

(*1)Cin=Coutの条件で計測したグラフです。
 

上のグラフより、以下の事項が読み取れます。

  • 発振周波数の差がマイナスの傾向にある場合、Cin,Coutの容量を小さくすることで、±0ppmに近づく。
  • 発振周波数の差がプラスの傾向にある場合、Cin,Coutの容量を大きくすることで、±0ppmに近づく。



2.水晶振動子負荷容量を回路負荷容量に近づける方法
水晶振動子の負荷容量仕様を変える(水晶振動子負荷容量を変える)ことで回路負荷容量に近づけます。水晶振動子負荷容量を変えた時の発振周波数の差との関係性を以下に示します。


発振周波数の差と水晶振動子負荷容量の関係イメージ


上のグラフより、以下の事項が読み取れます。

  • 発振周波数の差がマイナスの傾向にある場合、水晶振動子負荷容量を大きくすることで、±0ppmに近づく。
  • 発振周波数の差がプラスの傾向にある場合、水晶振動子負荷容量を小さくすることで、±0ppmに近づく。

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